ベーカー嚢腫について
ベーカー嚢腫とは?
膝裏にある滑液包に水がたまり膨れることをいいます。
関節周囲には、腱や靭帯の摩擦を減らすために滑液包という袋が存在しています。その袋は組織の摩擦を減らす他に組織間を滑らかに動かす役割もあります。
水の溜まりが小さい場合や症状が無症状の場合は問題ありませんが、痛みや違和感を自覚した場合は病院への対処をお勧めします。
悪性の腫瘍ではないため無症状の場合は、保存療法で対処できます。
中年女性に多い傾向になります。
症状
症状としては、膝裏の違和感や痛み、膝を曲げたときの圧迫感、膝裏の腫れなどがあります。
痛みは強く出ることはあまりないことが多いです。しかし、炎症が起こっている場合や腫れにより神経を圧迫するときには痺れが出る可能性があります。
重症例として、腫れが大きくなりすぎて破裂した場合は筋肉間に水が入り込みふくらはぎ全体に腫れや痛みが出現します。
痛みの原因は?
痛みはあまりありませんが、腫れが大きくなりすぎた際に破裂して神経などを圧迫しての痛みが出現する可能性はあります。
腫れの影響で膝を深く曲げた際に膝裏の違和感や圧迫感で痛みに繋がることもあります。
水が溜まる原因として、膝関節を使いすぎたりして腱との摩擦が繰り返し起こり、炎症が起きその熱を冷ますために水が溜まります。
鑑別方法
問診
ベーカー嚢腫は関節腔とつながっていることが多く関節内への腫れが起こることなどで発生するために、関節内病変の確認をします。
- 変形性膝関節症
- 関節リウマチ
- 半月板損傷
などがあります。
触診・各種検査
触診ではわかりやすく、膝裏の少し内側に起こることがあり視覚のみでも腫れている所見が見られます。
その他、MRIや超音波検査を行う場合もあります。
当院の施術
病院ではないため注射をして水を抜くことはできませんので、腱との摩擦を軽減させることで施術を行なっていきます。
【ステップ1】緩める
腱との摩擦が増える原因として筋肉が固くなったり、腱の滑走性が不足することで摩擦が助長されるため滑走性を出すことや筋肉の柔軟性の確保を行います。
【ステップ2】整える
筋肉の柔軟性を確保したり腱の滑走性を出してしても正しくない関節の位置や正しくない運動が繰り返し加わると筋肉や腱に影響があるため、関節を整えて正しい方法へ導いて行きます。
【ステップ3】鍛える
関節が整っている状態で、正しいフォームを指導して、逸脱しないように自分自身の筋肉で保てるように強化して行きます。