リンパの重要な役割3選②
②免疫機能について
今回は、リンパの役割で②免疫機能についてまとめて行きます。
前回、説明したリンパ循環では間質液(組織液)と一緒に病原菌や異物も回収します。
しかし、そのまま病原菌や異物も一緒に静脈に戻ってしまうと大変なことになるので静脈に回収される前にリンパ節という検問所を通ります。
その検問所のリンパ節の中は、迷路のようになっており、そこにはリンパ球やマクロファージなどの免疫に関わる細胞が作られています。
そのリンパ球などの免疫細胞がリンパ節の中に入ってきた、病原菌や異物を処理します。
風邪をひいた時にリンパ節が腫れるのは、リンパ節が病原菌や異物を処理しているからです。
このように免疫機能が働くことで私たちのカラダを守っています。
しかし、問題なのは組織でできたがん細胞もリンパ管に回収され、リンパ節に到着します。
その時に、運悪くがん細胞が成長してしてしまうと、リンパ節転移が起こります。そのためにリンパ節転移が多いのはこのような原因があるためです。
リンパ節のようなリンパ球などが多く存在している組織をリンパ系器官といい、扁桃や胸腺もその一部になります。
③脂質の輸送について
最後に、あまり知られていない脂質の輸送についてまとめました。
私たちは小腸で色々な栄養素を吸収します。それらは血管に回収されます。
しかし、脂質は血管に回収されずに小腸のリンパ管へ回収されます。その際、小腸のリンパ管は白く濁って見え、乳びと言われています。
小腸のリンパ管と下半身リンパ液も静脈に合流するためにカラダを上行します。その時に通る道を胸管といい、左側の静脈に合流します。
胃がんの転移先が左鎖骨側によく出現するのは、この合流地点が関係しています。
小腸で脂質を回収して静脈に送るとのことですが、感がいい方ならば薄々気づいているかも知れませんが、リンパの流れが滞るとこの資質の運搬も滞ることになります。
結果、脂肪が溜まっていき、顔がむくみが出るとか、脂肪がついてきたとかこのリンパ太りの可能性もあります!(リンパ太りの改善方法なども今後書いていこうと思います!)
この3つの働きがリンパの主な働きになります。
次回は、全身のリンパに流れがどのようになっているかをまとめて説明して行きます。