スポーツ障害:ラグビー編

男子ラグビー

肩関節脱臼

ラグビープレイヤーは肩関節脱臼のリスクが高いスポーツ活動をしています。肩関節脱臼は、肩の関節骨頭が関節窩から外れる状態を指します。コンタクトスポーツ(ラグビーや柔道)では手術が推奨されています。当院では、ラグビー選手の肩関節脱臼に関する情報を提供し、適切な施術方法を提案します。

症状

  • 肩の強い痛み
  • 肩の可動域制限(腕が上がらずに固定させている状態)
  • 肩の腫れや変形

原因

  • 肩関節に強い衝撃による外傷(コンタクト)
  • 地面に手をつき負傷(非コンタクト)

当院の施術

肩関節脱臼が発生した場合はすぐに病院などの医療機関を受診してください。
当院にかかる際は手術後や亜脱臼後の施術になります。その為、リハビリテーションが終了しているがスポーツ競技での痛みや違和感、パフォーマンス低下などの対処を中心に記載します。

肩関節周囲の痛み

肩関節脱臼の手術では、肩関節に付着している腱を利用して再脱臼を予防します。手術により肩関節周囲の筋肉、筋膜、脂肪、皮膚が癒着し、組織間の滑らかな動きが妨げられ、痛みが生じることがあります。

当院では、手技施術や筋膜リリース、鍼施術などの施術を行い、まずは痛みの出ない日常生活を取り戻せるようサポートいたします。

可動域制限

利用した腱による強化は再脱臼を予防する重要な措置ですが、スポーツ競技を続けるためには最低限の可動域が必要です。可動域が制限されすぎると、選手は十分な筋力を発揮できず、また脱臼するのではないかと不安感が増大し、競技パフォーマンスが低下する可能性があります。また、肩以外の部位に過度の負担がかかり、新たな怪我のリスクが高まります。
手技施術のみではなく、エクササイズにより可動域の確保を図ります。

肩甲骨の安定化

手術では、通常、肩の内側の筋肉(インナーマッスル)にはアプローチされません。しかし、周囲の筋肉が硬くなることで、肩関節の中心位置がずれ、肩の安定性が低下することがあります。肩関節だけでなく、肩甲骨の安定性も脱臼の予防や競技パフォーマンスの向上に重要な影響を与えます。

体幹や肩甲骨などの基盤が安定することで、肩関節の安定性が高まり、可動域も向上します。当院では、肩関節脱臼の患者様に対して、肩だけでなく体幹や肩甲骨周りの筋肉を重点的にトレーニングするプログラムを作成しています。これにより、肩関節の安定性が向上し、再脱臼のリスクを軽減すると同時に、競技パフォーマンスを向上させるお手伝いをしています。

競技動作の修正、ボディコントロールの理解

手術後は、長期間にわたる固定とリハビリテーションが必要で、実際の競技活動やボールを使用した練習、タックルなどは一時的に制限されることが一般的です。手術後は以前のようなボディーコントロールが難しくなり、自身のイメージと実際の動作のギャップが生じ、再脱臼や怪我のリスクが高まる可能性があります。

そのため、競技活動を再開する前に、競技動作の修正とボディーコントロールの向上に焦点を当てることが不可欠です。当院では、個別のニーズに合わせたトレーニングや指導を通じて、患者様が自身の身体をより良く理解し、コントロールする手助けをいたします。

ラグビー選手の場合、肩関節脱臼の予防のために適切なトレーニングと筋力強化が重要です。また、ゲーム中の正しい技術と適切なプロテクションの使用も予防策として取り入れられるべきです。当院では、予防策の指導や適切な施術を提供して、選手の安全を確保します。