スポーツ障害：野球編

野球肩

野球肩は、野球選手や投手に特に見られる肩の障害です。長期間にわたる反復的な肩の使用、特に投球動作によって引き起こされます。主に肩関節の構造や筋肉に影響を及ぼし、痛みや機能障害を引き起こします。

症状

1. 痛み： 肩の前面や外側、後面に痛みが現れ、特に投球時に強まり、投球後にも出現します。
2. 肩の脱力感：投球時に肩が抜けるような脱力感を自覚します。
3. 可動域の制限：肩の可動域が制限され、肩を上げたり回したりする動作が制限されます。
4. 制球精度の低下：投球精度が低下し、投球のコントロールが難しくなることがあります。

原因

投球動作による肩関節への過度のストレスが原因で発生します。この過度なストレスにより、肩の関節軟骨、靭帯、筋肉、腱などが損傷を受ける可能性が高まります。また、肩関節の適切な安定性が失われ、肩の痛みと制球精度の低下が生じます。

当院の施術

野球肩は、肩関節の求心位（正常な位置）を保つことが重要です。（関節のズレを改善させること）

施術は、単に痛みの緩和だけでなく、根本的な問題の解決に焦点を当てています。以下は、当院が行っているアプローチの一部です。

1. 肩関節の求心位の維持

投球動作において肩関節の求心位（正常な位置）を維持することは、野球肩の完治に不可欠です。この求心性を改善させるだけで痛みが軽減させることもあります。筋肉の柔軟性を高め、肩関節の安定性を向上させるエクササイズを作成し、求心位を保つサポートを行います。

2. 肩甲骨の安定性の確保

肩甲骨は肩関節の動きに密接に関与し、安定性を提供します。安定性が低下すると肩関節に負担がかかり痛みが出現します。痛みが軽減したとしても肩甲骨の適切な位置と動きが確保できていないと再発する確率が上がり長期的にパフォーマンスが低下します。そのためエクササイズや姿勢の改善を行い、肩の安定性を向上させます。

3. 他関節の柔軟性向上

肩のトラブルは単に肩関節だけでなく、全身の関節や筋肉のバランスにも影響を及ぼすことがあります。胸郭、骨盤、体幹、股関節などの関節の柔軟性向上を促進し、全身の調和を取り戻す手助けを行います。

4. 投球の連動性の向上

投球は全身の連動動作です。正しい連動性を取り戻すために、投球フォームの改善、体幹トレーニング、投球に特化したエクササイズを提供し、パフォーマンス向上を支援します。

野球肩の治療は個別に設計され、患者様の症状やニーズに合わせて実施されます。痛みの根本原因にアプローチし、怪我なく健康な野球ライフを取り戻すお手伝いをいたします。